吉田酒造では、島根の銘水百選に指定された超軟水の仕込み水と
地元の契約農家で栽培した良質な米を使う事でフレッシュで香り高く
キレのある酒を仕込んでいます。
日本酒は美味しい。難しく考えずとも感じて頂ける、
日本酒の登竜門としての立ち位置を目指しています。
日本酒がお好きな方はもちろん、これから試したいと思っている方にも
是非お試し頂きたいお酒です。
日本では古来より、神事の最後にお酒(御神酒)頂く習慣があります。
お酒は人と神様を結ぶコミュニケーションツールだったのです。
今でもお酒は人と人とを繋ぐコミュニケーションツールとしての
役割があります。
月山は皆様のコミュニケーションツールとして、皆様のご縁を結ぶ
お酒としてを飲んで頂きたいと思っております。
料理の引き立て役に、家族でのお食事に、大切な記念日に、
手にして頂けると喜びます。
2016年には「ワイングラスでおいしい日本酒アワード2016」に出展しました。
日本酒をワイングラスで飲む事で「香り」と「見る楽しさ」を引き出し
日本酒の魅力を広めていこうという賞です。
月山は最高金賞を受賞いたしました。
またフレッシュで華やかな飲み口で、和食以外の料理との相性も良い事から
海外の方にも評価が高く、輸出も行っています。
アメリカ、香港、台湾、シンガポール、イタリア、オーストラリア、
ベトナム、ウガンダ、タイの9か国でお楽しみ頂けます。
様々なシーンに合う懐の広さも月山の魅力です。
従来の形にとらわれず、楽しんで飲んで頂けると喜びます。
米どころである島根県はたくさんの酒蔵があり、それぞれに個性のある酒造りを続けています。お客様に美味しい日本酒をお届けするべく、
島根県の日本酒のレベルを上げていく事が大切だと考えています。
「選んでよかった」と満足頂ける酒造りを続けていきたいと思っております。
島根県安来市広瀬町ー吉田酒造からのぞむ山「月山」には
戦国時代における難攻不落の城として有名な富田城がありました。
この地では、その年の一番良い仕上がりの酒を「月山」と名付け、
一番樽(=最高の酒)として殿様へ献上していた歴史があります。
この歴史背景になぞらえて
「殿様へ献上していたような最高の酒を、常に造りつづける」
ことを目指し「月山」と命名しました。
吉田酒造では、「日本一柔らかい水」と言えるであろう硬度0.3の超軟水を使用して酒造りをしています。この仕込み水は、江戸時代広瀬藩の歴代藩主がこの辺りで一番おいしいと愛飲し「不昧流茶道」で最高の水と言われた名水「お茶の水井戸」を復元して使用しています。
(不昧流茶道の茶室を設けたとされる文献から位置を特定し、汲み上げたものを使用しています。)
文献にも残るほどの「地元で一番おいしい水」を使用していますが、酒造りをする際には、ミネラル分などの高い硬質の水の方が酵母菌の繁殖を活発にするとされ硬質の水が向き、軟質の水を使用することは通常は困難とされています。
それでも吉田酒造ではあえてこの超軟質の水を使用しています。それは、古来より日本の天然水は軟水が多い日本の風土を考えて。日本人の身体はミネラル分の多い硬質に向くとは言えません。場合によれば、おなかをこわしてしまうことも考えられます。また、軟水は香りや味をよく引き出すので、飲み手に華やかな香りと米本来の旨みを感じていただきやすい酒になると言えます。
造り手としては扱いが難しい軟水ですが飲み手にプラスになる想いの込もった酒造りがしたい、地元に在って、地元に根ざした酒造りがしたいという二方向の強い想いが合わさって選んだ水です。
これからも、地元とお客様への想いを大切に酒造りに精進して参ります。
安来市広瀬町西比田の豊かな自然の中で丁寧に育てられた米を使用しています。
地元の契約農家でつくられた良質な米を玄米の状態で仕入れ、酒造内の精米機で徹底管理し精米します。
大切に育てられた地元の米だからこそ、この地でしか作れない最高の味が出せると考えています。
安来市広瀬町西比田の契約農家から質の高い米を玄米の状態で仕入れ、吉田酒造内の精米機で精米をします。通常の口にするお米の精米歩合は3%(玄米の表皮を削った)くらいですが、吉田酒造では雑味を無くすために普通酒、純米ともに30%以上は削ります。
特に大吟醸において(65%削る場合)はたとえば1t米を用意したとして65%削り350kg、酒づくりの工程を得て絞る際、酒粕の割合が40%を占めるため酒になって口に入るのは100~200kg弱となります。
※削って出た表皮に近い褐色の米粕は田畑の肥料へ、白米部分は米粉や米焼酎の原料などに姿を変えます。
※酒粕はそのまま食用として販売するほか、山陰では吉田酒造にしかない最新の機械を使用しつくる、蒸留酒の原料となります。
精米した米は蔵人(くらびと)が蒸場にて蒸し上げます。
蒸す工程により熱湯での米の殺菌を行い、水分を吸わせ麹づくりの際の糖化をしやすい状態にします。
蒸した米は麹室(こうじむろ)という温度、湿度ともに麹づくりのために徹底管理された部屋の中で麹へと変化させます。
米を専用の台の上に乗せ麹菌をふりかけ布でくるみます。2日以上かけて麹菌の繁殖を促し、麹を育てつくります。
こうして、蒸して半透明の乳白色だった米は糖化し栗のような香りと甘みを持つ麹へ姿を変え白くなります。
つくった麹を蒸した米と水の入ったタンクへ入れ酒母をつくります。(酒母仕込みとはアルコールの源となる酵母を育てるための酒造りの"もと"になる作業)吉田酒造では安来の清く美しい超軟水を使用します。酵母の餌となるミネラルの少ない超軟水を使用するので、酵母のペースに合わせて丁寧に仕込みを進めます。また、あわ活性をする(製造タンクが泡でいっぱいになるため少量しか作ることができず)扱いが大変で現在では使用が少なくなった酵母を使用します。
月山特有の香りと酸の立ったキレのある味わいはこの酵母が要になるため、あえて難しいつくりに挑み続けています。
手間暇かけてつくられた麹、酒母と蒸米、水を仕込みタンクに入れ発酵させます。
栗のような香りと甘みを持つ米のうまみを引き出す麹と、フルーティーな香りと酸の立ったキレのある味わいを作り出すあわ酵母が、蒸米と水を約1カ月かけて月山のもととなる醪(もろみ)へと変えていきます。
(麹菌の力で米のデンプンが糖へと変化する)
約1カ月かけてつくられた醪(もろみ)を濾過し、酒(液体)と酒粕(個体)へと分離させます。
タンクを濾過する機械(自動濾過圧搾機)とつなぎ、アコーディオンのようなシリコン製のフィルターに空気を入れ風船のように膨らませ間に挟まれた醪(もろみ)に圧力をかけ、酒(液体)と酒粕(個体)とに、正確に分離させます。
こうしてできた酒を、通常の酒造りではタンクの上部から入れますが、フィルターをかませた状態で酸素に触れないようタンクの出し口からタンクに入れます。
上部から酒をうつすとその分空気に触れる時間が増え酸化を促してしまうため、月山特有のうまさと香り、フレッシュさを保つために通常とは全く違うやり方でタンクへ酒を移しています。)
タンクに移してからわずか1週間という短期間で65℃の火入れを行い即瓶詰をし瓶貯蔵の状態で保存します。
通常のタンク貯蔵でなく、瓶貯蔵をすることで酸素にふれる機会を極力少なくし劣化しないつくりをすることで、月山の持つフレッシュでフルーティーかつキレのある美しい味わいをつくり上げます。
安来市広瀬町は島根県の東部に位置し、緑豊かな自然環境に恵まれた中山間地で戦国時代山陰地方を統治していた尼子氏の居城、難攻不落の城として大いに有名な「月山富田城」跡のある城下町です。吉田酒造は寛保3年(1743年)からこの広瀬藩の藩公特許による酒造館として始まりました。
旧家は享保15年(1730年)から「安屋坂店(やすやさかみせ)」として酒造りをはじめており、現在も酒蔵の煙突に「安」の文字を残し旧家の意思も受け継ぎ酒造りをしています。旧家の歴史も合わせると約300年、この安来の地に根差した酒造りを続けて参りました。
江戸時代には最高の酒"一番樽"をつくり広瀬藩藩主に献上していたように、現在ではお客様に安来最高の酒を味わっていただきたく酒造りをしています。